生活のための言語と学習のための言語

■生活言語能力(BASIC INTERPERSONAL COMMUNICATIVE SKILLS, BICS)

日常生活で具体的な事物・事象と関連して習得する、対人関係におけるコミュニケーションの力のことです。およそ2年で習得できると言われています。

■学習言語能力(COGNITIVE ACADEMIC LANGUAGE PROFICIENCY, CALP)

学校で抽象的・概念的学習により習得する、教科学習に必要な認知・教科学習言語能力のことです。少なくとも習得に5〜7年はかかると言われています。

引用元:母語の大切さー多分かな子どもの学び〜母語を育む活動から〜

■生活するための言語能力と学習するための言語能力の区分

外国人児童生徒にとって言語は、生活するだけでなくさまざまな教科を学習するうえでも重要なものです。学校では日本語を使用する頻度が高いため、早ければ1~2年で日常会話程度の日本語は身につけられるようになります。しかし、教科学習についていくためには、5~6年かかると言われています。一般に日常生活でコミュニケーションをする際に使用する言語能力のことを、「生活言語能力」、抽象的、概念的な理解や、教科学習に必要な言語能力の事を「学習言語能力」といいます。学習言語能力が身につくまで、長い期間、日本語力の不足によって、教科学習についていけない状況に直面することになります。そのため、「勉強のできない子」と周囲から思われ、自分もそう思ってしまうことがよくあります。学習言語力が十分発達することで、勉強がよくできるようになる子ども達も多いのです。

引用元:母語の大切さー多分かな子どもの学び〜母語を育む活動から〜